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2008年1月21日 (月)

フロイト全集18から『「精神分析」と「リビード理論」』

 この論文でもっとも印象に残ったのは、「病苦の症状が解消するのは、特別な努力目標として目指されるのではない。規則通りに正しく分析を実行すると、いわば副収益として症状が解消されるのである。」というところです。私の分析治療観にぴったりきます。ラカンの『対象関係』や『精神分析の倫理』といったセミネールで批判されていた精神分析家たちなら、おそらく自分たちの技法を使えば積極的に治癒へと導くことができると考えそうですが、私はそれらへ批判したラカンの方に共感を覚えます。

 翻訳については、細かいところを一箇所改訳したいです。

「精神分析は、心に生じる出来事がすべて、基礎となる欲動の諸力の働きに由来することを、大本から解明しなければならない。」(p168)

「精神分析は、心に生じる出来事をすべて、基礎となる欲動の諸力の働きのうえに構築してみせねばならない。」

 ただしここで『aufbauen』という語に『構築する』という訳を当てましたが、岩波版全集の他の箇所ではたぶんこの訳語は『konstruieren』に当てられていると思われますので、注意が必要です。ところで、後者を独和で引くと、『構築する』という訳語そのものは載っておらず、『建造する』の他は、『作図する』『でっち上げる』といった意味みたいです。フロイトが『Konstruktion構築』をテーマにした論文は、岩波版全集では21巻で刊行されるでしょうから、21巻発売までこの辞書的意味を覚えておこうと思います。

フロイト全集 18 1922-24年 (18)

フロイト(著), 新宮一成(編さん)

出版社: 岩波書店 (2007/08)

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