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2008年6月16日 (月)

フロイト全集9より『W.イェンゼン著「グラディーヴァ」における妄想と夢』(3)

 この論文で気になる点を扱う3回目です。

「しかし他方では、ハーノルトはみずからの性愛に対するこの勝利をよろこんではいない。抑え込まれた心の蠢きはまだ十分強力で、不快感を示したり、それを制止することで、抑え込もうという動きに仕返しをしている。」(岩波版76頁、下線は引用者)

 下線部の「それ」は何を指すのでしょうか。訳文を読む限りでは、「抑え込もうという動き」を先取りしているとでも考えるしかなさそうですが、原文を読むと、ここは単に「Hemmung」という名詞があるだけで、「それを」に当たる語はありません。次のように改めてみます。

「しかし他方では、ハーノルトはみずからの性愛に対するこの勝利をよろこんではいない。抑え込まれた心の蠢きはまだ十分強力で、不快感や制止症状[をハーノルトにもたらすこと]で、抑え込もうという動きに仕返しをしている。」(代案)

 抑圧の帰結として、不快や制止といった症状が現れた、ということでしょう。上では「制止症状」としてみましたが、「症状」は私なりの補足です。

 なお、「抑え込もうという動き」の「動き」は、「蠢き」と訳されているのと同じ語なので統一性に欠けます。私は「動き」で統一したほうがいいと思うんですけど。

フロイト全集 9 1906-09年 (9)

フロイト(著), 新宮一成(編さん)

出版社: 岩波書店 (2007/11)

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