« テレンバッハの「メランコリー親和型性格」について(2) | トップページ | ヤスパース(5):ヤスパースの意味での病識 »

2011年2月19日 (土)

機知?

 先日、院内の症例検討会で患者の次のような訴えの報告があり、興味深く思いました。

「先生、ひどいじゃないですか。○○(患者A)さんと××(患者B)さんに[性行為を]やらせて、僕を××(患者B)さんと付き合わせようとしていますね」

 こう訴えた患者には、他の病室から性行為の声が聞こえてくるという病的体験があって、それを機にこのように訴えたようなのですが、なぜ××(患者B)さんと自分とを付きあわせようという企みがあると思ったのか、その根拠については患者本人も説明できないとのことでした。

 私はこれを聞いて真っ先にフロイトが論文『機知』で紹介していた有名な小噺のナンセンスさを思い出しました。もちろんそこに描かれた人間関係そのものは違いますが。

『あるガリツィア地方の駅で二人のユダヤ人が出会った。「どこへ行くのかね」と一人が尋ねた。「クラカウへ」と答えた。「おいおい、あんたはなんて嘘つきなんだ」と最初の男がいきり立って言う。「クラカウに行くと言って、あんたがレンベルクに行くとわしに思わせたいんだろう。だけどあんたは本当にクラカウに行くとわしは知っている。それなのになぜ嘘をつくんだ?」』(岩波版137頁)

 この訳は少々深読みしすぎなんじゃないかと以前ここ

http://freudien.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_1.html

に書き込みましたが、これは統合失調症の訴えならありうる内容だということになります。

« テレンバッハの「メランコリー親和型性格」について(2) | トップページ | ヤスパース(5):ヤスパースの意味での病識 »

フロイト」カテゴリの記事

病的体験」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 機知?:

« テレンバッハの「メランコリー親和型性格」について(2) | トップページ | ヤスパース(5):ヤスパースの意味での病識 »

2021年12月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ