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2014年6月11日 (水)

ヤスパース『原論』の再読(附録)

 この本の翻訳の検討はこれで最後になりました。

現象学的に明らかにするためには、患者にできるだけ自分の精神的体験の形を見させるようにし、自己観察をさせるようにして、体験の内容だけでなく、体験の主観的な様式をわれわれに伝えてもらわなければならない。(379頁)

現象学的に明らかにするためには、患者にできるだけ自分の精神的体験の形を見させるようにし、自己観察をさせるようにして、体験の内容を通じてだけでなく、体験の主観的な様式を通じてわれわれに何かを伝えてもらわなければならない。(代案)

 次は、前々回も扱った、verruecktという言葉に関するところです。

慢性の妄想患者はその妄想体系をいわないように気をつけるが、それは皆が自分を気が狂っていると思うことを知っているからである。(380頁)

慢性のパラノイア患者はその妄想体系をいわないように気をつけるが、それは皆が自分を偏執狂と思うことを知っているからである。(代案)

 最後は、記述者と分析者を対比して論じた箇所からです。構文に省略もあって難しいんですが、私は次のように解しました。構文全体に関わるので、今回は変更箇所に下線を引きません。

それゆえ記述者はどっちへ行ってもうまく行くが、分析者はうまくいかない。しかし記述者は同じところをぐるぐる回っており、分析者は先へ先へと進んでいく。(395頁)

それゆえ記述者の広大な成果が、分析者にとっては失敗にあたる。しかも記述者が同じところを堂々巡りすることが、分析者にとっては進捗にあたるのである。(代案)

 読みかけの本はこの調子で次々に片付けていきたいものです。

 

精神病理学原論 
カール ヤスパース (著), Karl Jaspers (原著), 西丸 四方 (翻訳)
みすず書房; 限定復刻版 (1971/01)

Allgemeine Psychopathologie Ein Leitfaden Fur Studierende, Arzte Und Psychologen (1913) Karl Jaspers (ペーパーバック - 2009/11)

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