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2017年11月30日 (木)

ラカン『精神病』7章再読

 今回は7章『想像的崩壊』です。この章の翻訳については、ルビの振り間違い2箇所を除くとさほど問題は無いように思います。

 まず一つ目。

私達が間隔効果(ルビ:ディスタンクシオン)という概念を慎重に操作する術を心得ているならば、ここでそれを使うことができるでしょう。この概念はでたらめに使われていますが、事実に適合した使い方がされるならば、この概念を拒否する理由はありません。(邦訳上巻153頁)

 ディスタンクシオンというルビが振られている箇所の原語は「distanciation(ディスタンシアシオン)」ですのでルビには変更が必要です。意味は「距離を置くこと」という感じなので、邦訳のままで良さそうです。ブレヒトの「異化作用」と訳される概念も、原語はこれのようです。

 次で今回は最後です。

彼が話さなかった時期の意識(ルビ:シニフィカシオン)については、あとでもう一度戻りましょう。(邦訳上巻160頁)

 「意識」に「シニフィカシオン」というルビが振られていますが、ここはルビのみが正しく、訳語を「意義」とか「重要性」とすべきと思います。

 久しぶりに読み返して、この章では、冒頭の序論部分の内容の濃さに驚きました。こういう切れ味があるからこそ、私にとってのラカンへの興味は絶えず刷新されて尽きることがありません。

精神病〈上〉
ジャック ラカン (著), ジャック・アラン ミレール (編集), 小出 浩之 (翻訳), 川津 芳照 (翻訳), 鈴木 国文 (翻訳), 笠原 嘉 (翻訳)
出版社: 岩波書店 (1987/03)

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